出産日記
2000.9.16
昨日から、体温は37.9℃から下がらないままお産の兆候は続き、ルビーは一睡もしない。
夜中2時半頃、再度体温を見ると38.5℃。本には、出産前になると平熱に戻ると書いてあったので、これは近いと思っていると、ウンチスタイルになり軽くいきみだした。だんだん強くいきみ出し・・・
3:35 第1子誕生
ルビーは戸惑い、羊膜を破るより先に胎盤を食べ出したので、手で破ってやると顔をなめ、へその緒も噛み切った。小さくて150gしかない男の子だったけど、大きな声でミーミー鳴き、よく動いたのでホッとした。トライカラー。
4:55 第2子誕生
はじめの子が気になって処置ができないルビー。見かねて羊膜を破って身体ごとふったり、さすったけど息を吹きかえしてくれなかった。小さすぎたのね、110gの茶色の女の子でした。
5:40 第3子誕生
羊膜から出てへその緒もちぎれ、仮死状態で産まれてきた。ルビーがなめても鳴かないので取り上げて、口で羊水を吸ってあげ、タオルで包んでさすっているとやっと小声で鳴いてくれた。動きも声も弱々しいので心配。150g、茶色の女の子。
6:10 第4子誕生
強くいきまなくてもスルッと産まれてきたと思ったら、とても小さくまだ胎児のよう。ルビーは知らん顔。すぐ処置を試みたけど息は絶えていました。死産。80g、超未熟児、トライの男の子でした。悲しい。でも、まだ泣いてはいられない。この子がレントゲンの時に言われた未熟児だとしたら、次の子はきっと大丈夫!!
7:08 第5子誕生
何回か強くいきんで産まれた子は大きかった。これが標準!?、230g。ルビーはちゃんと処置できたし元気な子でうれしい。トライの男の子。
それからは産まれる気配がなかったので、ルビーに牛乳を少し飲ませ、からだの汚れをふいてあげ、産室にもきれいなタオルをひいて休ませる。
病院開院の9時を待って、未熟児が2匹いることを連絡。診て頂いたほうがいいかと聞いたら、一週間後でいいと言われた。今夜は死んじゃった子達のお通夜。外は大雨だった。
左から、5号、3号、1号
2000.9.17
子供達の名は、別れの時寂しいので名付けないとのパパの意思により、産まれた順に、1号3号5号と呼ぶ。夜中ずっと、落ち着かなかったルビー。ガサガサ動く音、ルビーに踏まれて鳴く声、おっぱい探して鳴く声が気になって私も眠れない。気がつくと弱そうな♀3号がルビーのからだから離れているので、何度もひっつけてあげた。ルビーがトイレに行きたがったので出してやり、私も用を足していた間に、死んじゃった子の一匹を箱を開けて出し、産室に隠していた。面倒をみなかった子だったのに、やっぱり離したくないんだね。
朝10時ころ、茶♀3号が大きく口を開けて呼吸し始め、次第に紫色になってきた。パパが急いでからだをタオルでくるんでさすってやり、私は日曜休診の先生の携帯電話にかけた。とにかく暖めつつ人工ミルクをと指示を受けたので、あげてみたがやはりうまく飲みこめず、パパの手の中で硬直し始めた。もう、休診の先生はあてにできず(研修会で留守)近所の獣医さんの所に車で走ったが、間に合わなかった。着いた時にはすでに心停止だったのに、吸引や心臓マッサージなど手を尽くして下さった先生は、前の獣医さんとは違う見解に加え、とてもやさしく説明して下さり、涙があふれ止まらなかった。他にも小さい子がいることを伝えると、母子共すぐに診てくれて、心音など異常はないが一週間がヤマみたいなことを言われた。この時のお話では、今回の妊娠は異常であったということと、動物は以外とクールで、生きる見込みのない子は見捨ててしまうそうだ。なるほど、今日亡くなった♀3号をほったらかしだったのに、同じ150gでも元気な♂1号のことはよく面倒をみていた。悲しいことだけど、ルビーはちゃんとわかっていたのだ。
午後、3匹を市営の火葬場へ葬ってあげた。
2000.9.18
3日目の朝、体重増加が心配だった♂1号も15g増えていた。ルビーもこの子の方をよく面倒みていて、いつもお腹側に抱え込んでいる。おかげでよく踏まれるし、強くお尻をなめすぎて、小さなからだがエビゾリになってるよー。母性本能は認めるけど、ああ、心配は尽きない。
ルビーの食欲がないのも心配。おっぱいはよく出ているって先生は言ったけど、もっと食べなきゃ。外へさんぽに連れだしウンチしてすっきりさせても、缶詰フードも食べない。
卵黄と牛乳を混ぜたものとチーズ付ささみジャーキーだけ。おまけに、電話や家族の外出時の音に反応したり、今まで通りパパのパソコンの下に潜りこんで来たり、子育てをエスケープしちゃうところは困ったものです。
2000.9.19
もうへその緒は取れちゃってた。今朝は、♂1号の体重増加がなくまた心配。ミルクをあげてみるが受け付けないので、注意してルビーのおっぱいにしゃぶりつかせる。吸う力は強く、立ち上がったルビーのおっぱいにぶらさがれるくらいなので、彼の生命力も強いと信じる。ルビーにはパパの勧めでぺディグリーチャムの缶詰をあげると、これは気に入ったらしい。子供を踏まないよう気をつけてるようだし、やっとリラックスしてあおむけで昼寝している。
5号、1号。
2000.9.20
今朝の1号は20gも増加していた!2匹ともすごい勢いでおっぱい吸ってる。これで大丈夫かな。23日には健康診断と尻尾切り。
2000.9.22
5号の断尾。電気メスで切って、とける糸で縫ってくれた。キューキュー鳴く声が待合室まで聞こえてきた。痛かったのかなあ。1号もいっしょに病院に行ったけど、まだ250gなので大事をとって3日後に。
2000.9.25
1号の断尾。ようやくコーギーになれたって感じだね。体重も360gとグーンと増え、もう安心だそうだ。2匹ともカラーの入り具合がいいねって獣医さんに言われてうれしい。でも、娘の友達が見て「なんか、牛の赤ちゃんみたい」だって・・・う〜ん。
2000.9.28
26日夜、ルビーが久しぶりに食欲復活で、缶フードに加えたくさんドライフードを食べた。欲しがるがままにあげたのが災いし、夜中のうちにサークルの隅にゲリ便がしてあった。(自ら、ひいてあったタオルで覆ってあったところはエライ・・)昼までにゲリ便を5回もしたので、朝・昼抜きで卵黄一個。夜もやめようと思ったけど、欲しがってあんまりうるさいので、パピー用の缶詰とドライを少しあげた。
すると今朝、子供たちの体重の増加が少なかった。おっぱいに栄養が少なかったのかな。妊娠中にしろ、授乳中にしろ母体の健康管理の重要性をあらためて思い知らされた。
2000.10.1
ずりばいからハイハイもできるようになってきた。目は開いてきてうっすら見えるようだし、耳も少し聞こえるようだ。大きな音やルビーの吠える声に反応する。
2000.10.6
ハイハイからトコトコ歩きへ。サークルの出口からルビーを追いかけて飛び出してきた。ごーちゃん(5号)は、ルビーにじゃれついて噛みつく姿がよくみられる。いっちゃん(1号)はおとなしい性格みたいだ。夜、冷えてきたので、昼間は出してある産箱を戻してやる。
2000.10.13
アンアン鳴いたり、兄弟でじゃれあい、動きが活発になってきた。サークルの外に興味津々だ。そろそろ二匹とも歯がはえてきたので、離乳食の準備として、朝夕ミルクを作ってなめさせる。はじめは勢いがつきすぎて鼻に入ったりしているけど、上手になめて飲める。
ブリーダーさんに聞いてみると、あせらず、仔犬の方がフードに関心をもったら、トロトロの状態にしたフードをまず一日一回から進めるよう指示をうけた。
2000.10.16
生後一ヶ月をむかえた。昨日からはじめた離乳食は朝夕ぺろりで、そのあとにミルクをあげるがそれもぺろり。昼間は、親(ルビー)と離すよう言われていたが、仔犬くんたちがさがしてクンクン鳴くので、つい一緒にしてしまう。でも、ルビーはおっぱいを噛まれて痛いのかちょっと迷惑そう。
2000.10.18
離乳食一日三回ミルク付き+寝る前のミルク少々。うんちは一日1〜2回、ルビーは食べてくれなくなった。ジャンプしてルビーに突撃したり、いっちゃんに噛みついたり、ごーちゃん(5号)強し。ついでに尻尾の手術痕がポロリと取れてお尻がきれいになった。お尻のまわりは白いけど後姿は真っ黒で、見るからにおはぎ。(笑)おいで〜と呼ぶと走り寄ってくる姿がめっちゃかわいい。
2000.10.21
突然、ルビーが血便!!朝は普段どおりフードを食べ、さんぽにも行き普通のうんちをした後、だんだん柔らかいうんちが出てきて、血が混じりはじめ、夕方までに一時間おきにゲリ便。(ここまでは4ヶ月前にも経験)4時ころには、朝食分を嘔吐。ぐったりしてきたので体温を測ると39.9℃。これは病院行きだ。診察していただくと大腸炎と思われる(昨夜、紙粘土細工をかじったので)が、ゲリの回数と高熱からするとパルボに感染している可能性も否定できないと言われガクゼンとする。注射を2本うって、強めのお薬をもらったけど、翌日も血便が続くようなら血液検査をすることに。
んが、帰って3〜4時間もすると体温38.9℃に下がり、ゲリ便もごく少量だけになって、元気も出てきたのだ。注射の効果テキメン!?
いっちゃん、ごーちゃん
2000.10.22
朝食は、ドッグフードよりご飯とささみを少しあげるよう指示を受けていたので、おじや風に作ってあげたが初めてのご飯は口に合わなかったみたいで、器にご飯粒を残した。昼まで様子をみるがうんちは出ず、元気もあったので病院には行かずにすみそう。私たちや仔犬たちの昼食を見てうらめしそうにほえる。4時ころ、いつもの半分フードを柔らかくして仔犬用の粉ミルクを少しかけてあげるとガツガツ食べた。
2000.10.23
朝、ルビーは元気だった。やっぱりただの大腸炎だったみたい。ホッとしたのもつかの間、サークルの中の大判タオルがぐちゃぐちゃにされたところに茶色の物体が…。だあああ、ルビーのうんち、昨夕のドッグフード分だ。前回と同様に自分や仔犬が汚れないように(!?)ちゃんと隠してあったので許してやるっか。がまんできない気持ちもわかるもんね。苦しかったね。
一応、まだうんちが柔らかいので獣医さんに行くと、続いて3日分弱めのお薬をいただいた。腸内細菌による大腸炎だったけど、ルビーの場合はすぐに血便と高熱が出る特異体質なんだそうだ。
仔犬くんたちは、毎回のミルクの量を減らして、フードの回数を4回に増やす。下痢もせず、順調に大きくなっている。ルビーが近づくとおっぱいにむしゃぶりつくが、ルビーの方が逃げる。寝る・遊ぶ・食べるのメリハリもついてきて、多少の物音にも平気で寝ていられる。ごーちゃんの片耳が立ってきて、ますますルビーの仔犬時代に似てきた。
2000.10.27
仔犬くんたちをブリーダーさんに見ていただいた。充分な成長ぶりということで安心だ。
ついでにルビーの産後のおりものがまだ少量残っていることを聞いてみると、やはり少し長すぎるので病院に行くことを勧められた。
獣医さんでは、さほど心配いらないが五日分の止血薬をだしてくれた。
まだまだおっぱいが恋しい仔犬くんたちと、いやがるルビーとのバトルが毎夜繰り広げられている。夜、サークルには嫌々入るルビーでも、さんぽから帰ると足も拭かずに仔犬くんたちを確認しに行っているけどね。
2000.10.28
ようやく一匹の里親が決まった。そこのお子さんはいっちゃん(1号)を気に入り、お母さんの方は、番犬にとのお考えで活発なごーちゃんを望まれた。う〜ん、家族会議だね。
2000.10.29
昨日のご家族はお子さんの意見を尊重して、いっちゃんに決まったそうだ。さて、ごーちゃんは?
夕方、突然ブリーダーさんがお客さんを連れてきてくださり、その方がごーちゃんを気に入ってくださったので決まり。よかったー。
200010.30
ごーちゃんの旅立ち。
5号のごーちゃんは、やんちゃ坊主で1号のいっちゃんや母犬ルビーによくじゃれついていた、元気で明るい子。幸せになるんだよ。
ごーちゃんの新しい家族になられた(三重県多度郡)の方、もしくはお心あたりの方、ぜひお知らせください。赤ちゃん時代の写真を差し上げたいと思います。
と、うるうるしていた午後、ルビーにまた異変が。どうやら玄関で後ろ足をすべらせてお腹をぶつけたとのこと。でもいつものことだと思っていたら、数分後、玄関に血の海が広がっていた。血の混じったおしっこ、大小の血だまり。たまたまトイレがセットしていなかったので、玄関で出ちゃったと思われる。その後もすぐトイレで血尿が出たので、それを持って病院へ。でも、獣医さんは首をひねった。交通事故でもないのにお腹をぶつけたぐらいで多量出血はしないし、膀胱は無事だし子宮からの出血でもなさそうだからだ。とりあえず止血のお注射を三本もうってもらい、明日また来院し今後のおしっこの色と量に注意するよう言われる。
2000.10.31
昨夜も寝る前まで、一時間おきにはトイレで茶色のおしっこを出していた。
朝、サークルを開けるとトイレに直行。赤茶色のおしっこ。夕方までに多少色は薄くなったけど回数がとても多いし量もある。ルビーは元気で食欲もあるけど夕方病院へ。細菌による膀胱炎だったようで、お腹をぶつけたことは直接原因ではなさそうとのこと。産後はいろいろ感染症にかかりやすくなっているんだそうだ。まあ、膀胱炎にしても元気に走り回るコもめずらしいだろうが。一本のお注射と五日分の飲み薬をもらう。
2000.11.3
いっちゃんの旅立ち。
1号のいっちゃんは、攻撃的な性格ではなく、どちらかというとひとり遊びができるタイプで、でもサークルから出たときや、呼ぶとニコニコ顔で走ってくる愛想のいい子。
お子さんが4人いるにぎやかな新しい家族にひきとられ、単身赴任中のご主人にかわって
おうちを守るりっぱな番犬になるんだよ。
何ヶ月ぶりに会っても、親子ともおぼえているかなあ。ルビーは、やっぱりクールなのか子供がいなくなっても平気みたい。それよか、2時間ほど庭で遊んでいたあと嘔吐4回。
庭の垣根、カイヅカイブキの木の枝をわざわざ折ってよくかじるけど、身体にあわないんじゃないの?
2000.11.30
いっちゃんに会いに行く。
いっちゃんは、「エース」というとってもカッコ良い名前をつけてもらったそうだ。
春までは、お家の中で飼っていただけるようで安心。それよりもずっと大切にとても可愛がってもらっていて、感謝の気持ちでいっぱい。
こうしてルビーの子の成長が見届けられて本当にうれしいね。
暖かくなったら、デザイン公園で一緒にあそぼうね。
こんなに大きくなったよ。生後65日目のいっちゃん=エースくん
出産・育児を終えて
ルビー本当にご苦労様でした。といっても、必要最低限のことしかしなかったような気がするけどね・・・
でもルビーがしなかった分、仮死状態で産まれた子の処置には、自分でも驚く行為ができた。
自分の娘の赤ちゃん時代、鼻水を吸い取ってあげたこともなかったのに、生死をさまよう仔犬を助けるためになら
迷わず口で羊水を吸ってあげたのだから。
その子は、残念な結果になったけど、あとの2匹が元気に成長してくれて
そのうちの1匹は成長が見届けられる距離にいて、本当にうれしい限りです。
本人(ルビー)は望んでいないかもしれないけど、また出産してもらうことになろう。
産まれた子への責任の重大さを再認識しつつ、今度こそ妊娠した子がすべて健康に産まれることを切に願う。